4年 つくりたいものをつくる「ニンジャだぞぉ~!」


IMG_2341 この題材は、ぬいぐるみの目などに使われる「動眼」を用いて生き物をつくっていくという活動です。そして生き物をつくっていく条件を2つ子どもたちに提案しました。校舎内や校庭などに上手に隠れることのできる「ニンジャ」であることと、おもしろい生き物であることです。隠れるのが上手な生き物をつくり、最後にはクラス全員で探し合いをていこうと考えました。
 この題材を実践しようとした意図は、子どもたちにより自然を意識させたい、触れさせたいと言う思い、そして理科の観察スケッチを見ても、まだ概念的な自然事象の認識が強かったため、より自然物には1つ1つの固有の形や色があることを意識するきっかけとなってくれたらばと考えたことにあります。色1つにとっても、太陽は赤、葉っぱは緑、土は茶といった概念色の認識を超え、固有色や、ひいては現象色があることにものちのち気づいていってくれるよう意図したものです。IMG_2391
 この題材の魅力は、やはり「動眼」です。動眼は何につけても、顔のように見える手芸材料です。これまでもいろいろな実践で利用してきました。今回は、特に自然物固有の形や色に気づいていってほしいという意図を持っていましたので、生き物づくりで終わらないためにも、動眼を用いることによっておもしろい生き物づくりへ費やす子どもたちのエネルギーを軽減できればと考えました。
 制作の場所は、基本的にはいつもの教室です。机の上、床など子どもたちは思い思いのグループを作り、活動を展開していくと考えていました。ただのこぎりや切り出し小刀、接着剤などは、技法の習熟を図る目的からコーナーを設けることとしました。

IMG_2357 朝の会に動眼を配り、提案をしました。
 動眼を手にし、提案を聞いた子どもたちは、とても乗り気で、クラス全員で探し合いをしたあとに、隠れるのうまかったニンジャのランキングをしたいと言う提案が出てくるほどでした。休み時間などもすぐに校庭などで材料となりそうな枝などを拾ってくる子どもたちの姿もありました。
 授業に入ると、家庭から持ち寄ったさまざまな材料などももとに思い思いのニンジャをつくり出しました。それまでに思ったような材料の集められなかった子は、また校庭や教室の外のコモンスペースにある材料銀行へ行くなどして材料集めをしたりしていました。初めのうちは、あれこれ材料を眺めるだけの子も幾人かいましたが、1時目が終わる頃になるとそれぞれ、材料をもとに制作を本格的に始めることができました。IMG_2370
 担任は教室の子どもたちを見ながら、後庭に行っている子たちのところへもいくなどして、予想していたように子どもたちが活動を始めてくれたので、ほっと一息のはずでした。しかし、ここで困ったことがおきました。教室に戻ってみると、白い画用紙に白い綿を貼り付け始めた子がいたのです。私は「工作」で、どこかにそのつくったものを隠すということを条件として話をしていたので、どの子もそのような発想をしてくれていたと思っていたのですが、そうではなかったのです。クラスを見回してみると、その他にも、穂の付いた植物を白く塗って画用紙に貼ろうとする子たちがいることに気がついたのです。まだ始まったばかりなので修正させようと個別に話を聞いてみたのですが、どの子も教師の話した条件に沿うようなものを作ろうとしていることがわかり、条件設定に難があったことに気づきました。私は校舎IMG_2387内といっても、木でできた床や壁、コンクリートなどに似せた生き物をつくるものと勝手に考えていたのですが、その子たちは、隠れるのは画用紙の上であってもいいのではないかと考えたのです。子どもたちの話は道理が通ってもいましたし、画用紙入れの棚などに隠すことで、最後の探し合いでおもしろい活動になるものと考え、教師が納得をし、隠す場所を工夫することとなどでおもろくなるのではないかと言う話をしました。
 全員の子が完成した段階で、全員での探し合い大会を開きました。教室、コモンスペース、昇降口、校庭と一応対象を絞って、20分でどれだけ多くの忍者を見つけることができるか、また近くに友だちもいるので黙って探すという条件で、一斉に探し合いを始めます。これも子どもたちと条件を話し合いで決めていきました。一番多く見つけられた子は24個、ほとんどの子は10個以上見つけることができました。また見つけられにくかった生き物は2人という結果でした。最後に教師、そして子IMG_2379どもたちが自分のを、写真を撮りながら全員のニンジャがどこに隠れていたのかを確かめ合いをしました。子どもたちは大変満足げな様子で、学習カードにはご覧のように好意的で、次の学習につながるような記述をどの子も書いてくれていました。
 この実践をふり返って、葉をもとにして作った子どもたちに対して、幾度か立体的につくっていくようにうながしました。これは教師が、工作は立体的なものという固定観念を抱いていていたからだったのだと、反省をした実践でもありました。自然の中でいかに作品を隠していくか、どの子も、精一杯考え、取り組んだ題材だったのではないかとふり返ることができました。

Copyright (C) 2008 Kohji ONO.

 All Rights Reserved.