【キーワード】ハイテクノロジー/high technology

 高度先端技術のこと。原子力、航空・宇宙開発技術、運輸・通信、コンピュータ、バイオテクノロジーなどがその代表とされる。第二次大戦の原子爆弾の開発に代表されるように、その多くは国家主導による軍事技術として開発されてきた。戦後は民需へと転用され、われわれの生活の中にも必要不可欠となっているものも少なくない。

 人類は、自分の体に合ったスケールを持ち、立って見渡すだけの世界で、歩く速さで移動し、手を伸ばし事物と関わってきた長い歴史がある。この技術革新の発達は、これまでのこの人類のスケールを大幅に伸張させ、社会を拡大させ、進歩・発展のスピードも飛躍的に速めることに貢献した。しかし、地球規模の環境破壊等の問題を招き、これまでの人類の社会観、倫理観をも崩壊させてしまった。そればかりでなく”生きている”実感をも消失させつつある。

 原子力の父・アインシュタインの言葉を借りるまでもなく、人類のハイテクノロジーへの欲求は純粋な知への欲求に他ならないが、利用する側にはそれまで以上の理性と倫理観が要求されることとなる。全世界を呑み込んでしまったハイテクノロジーを捨て去ることはもはや不可能である。また、後戻りすることもできない。一人歩きを始めたハイテクノロジーをコントロールするには、さらなる技術革新が必要となり、まさに悪循環である。この悪循環を断ち切るためには、未知の豊かさが運んでくる自らの欲と隠された毒を見極めることが必要であり、そのためにも自らの平衡感覚を取り戻すことが不可欠となってくるだろう。

 生きている実感とコントロールする資質、この両方を身につけるため、今後ますます教育の力に負うところが大きくなってくるはずである。

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